おじさんの告白が切っ掛けで 母の気持ちも変わった
だけど子持ちの母親と結婚なんて やすやすと了解してもらえるわけがない
昔は離婚することでさえ 世間からは冷たい目で見られてきた
それが子持ちと結婚となれば 身内が総出で大反対をする
おじさんは自分の両親に結婚をする事を話した
東京に引っ越しをして 仕事が落ち着いたら ちゃんと挨拶に行くことを告げた
最初は結婚を喜んでくれた。 それが子供がいると分かった時点で顔色が変わる
何で子持ちと結婚なんかするんだ!この恥さらし!
おじさんの実家は 群馬県の山奥。 いわば凄いど田舎と呼ばれるところだ。
だから仕来りだの なんだのと 物凄く厳しい
反対をされていることはもちろん母にも知らされた
でも 『絶対に説得するから一緒になろう。』 それがおじさんの言葉
そしておじさんが考えた事は 一緒に実家へ連れて行き 挨拶をする
そうすれば嫌とは言わないだろう
私はその時の記憶は全く残っていない
私が成人する時に教えてもらった事実
おじさんは母を実家へ連れて行った。 目の前で土下座して結婚させてください!
母ももちろん 一緒になって頭を下げた。
おじさんの両親からかえってきた言葉は 『恥さらし!淫乱女!泥棒猫!』
かえってくる言葉は そんな悲しい言葉しかなかった
今すぐ出て行け!二度とこの家の敷居をまたぐな!
塩をふりかけられて 荷物を外に投げ出され 靴を履くことも出来ないまま
外に追い出された。 母の人生の中では 今もまだその時の傷は癒えていない
車の中で泣き叫ぶ母を見て おじさんは申し訳ないことをしたと思うと同時に
絶対に一緒になると その時心に誓いを立てた。
おじさんの実家を離れ 東京に戻ると同時に九州へ。
そしておじさんと母は駆け落ち同然で一緒になる決心を固める。
少しの着替えと子供を連れて 6畳一間から新たな生活がスタートする。